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2024.02.11 不動産購入

築30年のマンション、あと何年住める?購入のメリット・デメリットを解説

築30年のマンション、あと何年住める?購入のメリット・デメリットを解説

現在、マンション価格の高騰などにより注目されているのが、築30年前後の中古マンションです。
築30年以上のマンションは年々多くなり、2041年には163万戸になると予想されています。

築後30、40、50年以上の分譲マンション戸数(国土交通省)参照:国土交通省「築後30、40、50年以上の分譲マンション戸数」

築年数が古いマンションは、価格が低く購入しやすいといった大きなメリットがある一方で、「購入後何年住めるの?」「築年数が古いと色々不具合があるのでは?」「維持費の増加が心配」と不安を感じる面もあるでしょう。

今回は、築30年のマンションを選ぶときに注意する点や、築30年のマンションならではのメリットデメリットに着目し、解説をいたします。皆様のマンション選びのお役に立てれば幸いです。

築30年のマンションはあと何年住める?

築30年のマンションはあと30年程度住める

中古マンションを購入する際、「あと何年住めるのか?」気になるところです。
結論からお伝えすると、築30年のマンションは残り30年程度住むことができると言われています。

なぜ30年程度住めると言えるのでしょうか。
マンションの耐用年数と建物の寿命について見ていきましょう。

 

マンションの耐用年数と建物の寿命は違う

財務省が定めた鉄筋コンクリート(RC)造と鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造のマンションの法定耐用年数は、1998年の税制改正後で47年とされています。木造は22年です。
こちらは減価償却の計算に使われるもので、建物の寿命とは異なります。
耐用年数が「建物がどれくらい使用でき、価値があるのか」を表すのに対し、建物の寿命は「実際にその建物が使用できる期間」を表します。

 

鉄筋コンクリート(RC)造マンションの寿命

国土交通省の「RC造(コンクリート)の寿命に係る既住の研究例」では、以下のような研究が紹介されています。

RC造(コンクリート)の寿命に係る既住の研究例(国土交通省)
RC造の寿命を最も短く試算した研究例は「鉄筋コンクリート部材の耐久実態は50年以上」、最も長く試算した研究例は「一般建物(住宅も含まれる)の耐用年数は120年、外装仕上げにより延命し耐用年数は150年」と結論付けています。
こうした研究例からも、築30年経ったからと言って建物の耐久性が落ちるとは言えません。
建物の寿命は、いかにメンテナンスできているかで大きく変わります。「メンテナンスしていない建物」に比べ、「定期的にメンテナンスした建物」の方が建物の寿命が長いのは当然のことと言えます。

 

マンションの寿命はメンテナンス次第

建築技術の進歩や、建物の性能が上がってきていることもあり、建物の寿命は延びています。しっかりと定期的にメンテナンスを行えば、構造を問わず耐用年数を超えても快適に住むことが可能です。
反対に言えば、いくら丈夫な構造だと言っても、メンテナンスをされず放置されれば、本来の寿命より早く建物が傷んでしまいます。
マンションの寿命はその建物に合ったこまめなメンテナンスが重要と言えます。
もちろん、きちんとメンテナンスをしていても、建物は少しずつ劣化していきます。管理組合で定期的に修繕計画を見直し、必要な修繕を適切に行うことで、マンションの寿命はさらに延びることでしょう。

 

築30年のマンションのメリットとは?

築30年のマンションには様々なメリットがあります。
この年代のマンション特有のメリットを見ていきましょう。

 

メリット1.価格が安く、値崩れしづらい

築30年前後のマンションのメリットと言えば、やはり価格が安いことでしょう。
また、一般的に建物の価値は築10年で大幅に下がり、築20年を超えると横ばいになる傾向にあります。その為、築30年のマンションは資産価値が下がりづらいといったメリットがあります。

 

メリット2.立地条件が良い物件が多い

築30年前後のマンションは立地条件の良いエリアに位置している傾向があります。
理由としては、1960年代後半から70年代に旧住宅金融公庫が融資制度開始したことをきっかけに、分譲マンションの普及が本格化したことが背景にあります。
それ以降、駅近や生活利便施設が充実した人気のエリアに多くのマンションが建設された結果、築30年前後のマンションの多くが立地条件の良いエリアに位置することとなりました。

 

メリット3.管理状況を把握しやすい

マンションの管理状況によって、そのマンションの資産価値が変わると言っても過言ではありません。
築30年のマンションであれば、築浅のマンションと比べてマンションの管理状況を把握しやすいというメリットがあります。
例えば、修繕履歴を確認することで、これまでにどのような修繕が行われてきたのか、そして今後どのような修繕が必要になるのかを知ることができます。また、管理組合の運営状況を確認することで、組合の活動が適切に行われているかを確認することもできます。
こうした状況を確認することで、管理状況の良し悪しを把握することができるため、購入を検討する際は必ず確認するようにしましょう。

 

メリット4.新耐震基準で建てられている

地震の多い日本では、物件選びにおいて耐震性が優れているかは、非常に重要なポイントです。
築30年のマンションのメリットの1つは、新耐震基準で建てられていることです。
新耐震基準とは、1981年6月1日以降に建築確認された建築物に適用される耐震基準です。
旧耐震基準では、中規模地震(震度5程度)に耐えられることが求められていましたが、新耐震基準では、震度5強程度の中規模地震では軽微な損傷、大規模地震(震度6強から7程度)にも倒壊しないことが求められています。
つまり、築30年のマンションであれば、新耐震基準で建築されている為、震度6強から7程度の大規模地震であっても建物の倒壊は免れるという耐震性が保証されていると言えます。
マンション購入を検討する際は、築年数を確認し、新耐震基準に適合しているかをチェックしましょう。

 

メリット5.大規模修繕工事済みの物件が多い

大規模修繕工事は国土交通省のマンションの長期修繕計画作成ガイドラインによると、以下のように定められています。

マンションの補修・修繕・改修の概念図(国土交通省)

つまり、築30年のマンションであれば、2回の大規模修繕工事が済んでいる可能性が高いでしょう。
なお、大規模修繕工事は修繕だけでなく「改良」も行われ、新築時よりも建物の設備や性能が向上するというメリットもあります。

 

築30年のマンションのデメリットとは?

様々なメリットのある築30年のマンションですが、その反面、デメリットも存在します。
ここからは、築30年のマンションならではのデメリットと、購入の際に気を付ける点を解説いたします。

 

デメリット1.建物や設備の老朽化

築30年を経過すると、建物や設備は老朽化していきます。具体的には、外壁や配管の劣化、エレベーターや給湯器などの設備の故障などが挙げられます。こうした建物や設備の老朽化は、住居としての快適性を損なうだけでなく、健康被害にもつながる可能性があります。
その為、築30年のマンションを購入する際に、必ず確認しておく点は、修繕が適切な周期で実施されているかどうかです。マンションの寿命はメンテナンスの度合いによって大きく変わります。その為、長期修繕計画や修繕履歴を確認し、建物や設備の老朽化状況を把握することが重要です。
購入前には必ず不動産業者に依頼し、マンションの管理状況を確認することをお勧めします。
その際、配管設備の管理状況も忘れずチェックしましょう。

 

デメリット2.建て替えの可能性がある

築30年以上のマンションは、建て替えの可能性があることを考慮しておく必要があります。もし建て替えが決定した場合、マンションの所有者は建て替えの費用を負担することとなります。また、建て替え工事期間中は、仮住まいへの転居が必要です。
築30年以上のマンションを検討する際は、建て替えの可能性を検討し、建て替え費用や転居費用を負担できるか、確認しておきましょう。

 

デメリット3.管理費や修繕積立金の値上がりの可能性

管理費はマンションをしっかりと管理するために使われるお金です。マンション業界全体で、管理費をきちんと集め、マンションの資産価値を保っていこうという傾向があります。
もちろん、しっかり管理されたマンションは、そうでないマンションに比べ資産価値が高い為、管理費の値上がりがデメリットとは限りません。
また、マンションでは、建物や設備の老朽化に備えて、修繕積立金を積み立てています。築30年以上のマンションでは、この修繕積立金の金額が高くなる傾向があります。理由としては、建物や設備の老朽化に伴う修繕費用が高くなるためです。築年数を経るほど、必然的に修繕の頻度も高くなるため、積み立てなければならない金額が増えていきます。
管理費や修繕積立金の値上がりをデメリットに感じるかもしれませんが、どちらもマンションの住み心地や資産価値向上の為に必要な費用と言えます。

 

デメリット4リフォーム費用がかさむ可能性がある

リフォームやリノベーションをする際、築年数が古いほど費用が高額になる傾向にあります。
その理由としては、以下の3点が挙げられます。

1.アスベストの除去
築30年を超えるマンションでは、飛散の危険性が最も危険なレベル1と呼ばれるアスベストを使用している場合があります。その為、撤去費用が数百万円かかってしまうケースがあります。
2.断熱性・遮音性を高める
築年数が古いマンションは、築浅のマンションと比べ、断熱性や遮音性が劣る傾向にあります。その為、快適な生活を送る為に、床や壁に断熱材を入れたり、二重窓に変えるケースが増えています。
3.水回りのリフォーム
一見問題が無いように思えた水回りでも、配管の劣化やユニットバスの交換など、思わぬ費用がかかる可能性があります。特に在来工法の浴室からユニットバスに変える場合、ユニットバスをリフォームするよりも費用がかかります。

思いのほかリフォーム費用がかかってしまった!ということが無いように、物件の状態をしっかりと把握した上で、物件の購入を行い、リフォームやリノベーションの計画を立てましょう。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は「築30年のマンションがあと何年住めるのか?」についてと、「購入のメリット・デメリット」について解説いたしました。
築年数が30年を超えるマンションでも、しっかりメンテナンスができているかそうでないかによって、建物の状態は大きく変わってきます。
購入を検討する際は、デメリットについてもきちんと把握し、物件の状態やリフォームにかかる費用、そして住み始めてからかかる費用についても考慮し、検討しましょう。

この記事が皆さまのお役に立ちましたら幸いです。

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